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発売年月日:2019/04/27
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社会人になってから、たくさんのビジネス書を読んできました。
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そして、あなたが抱えるような悩みや課題は、すでに解決されていることがほとんど…。
ビジネス書には「仕事の攻略法」がたくさん載っていると言えるでしょう。
S-BOOKSでは、私がいままで読んできた本の中から、厳選して紹介しています。
目次をすべて公開しているので、それを読むだけでも参考になると思いますよ。
ぜひインプットしてみてください。
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本の中身を詳しく知りたくなった方は、ぜひ書店でお買い求めください!
本書の目次
はじめに
第1章 議論
- 簡単な要旨
- 繰り返す欠陥
- 一番簡単に測定できるものしか測定しない
- 成果ではなくインプットを測定する
- 標準化によって情報の質を落とす
- 上澄みすくいによる改竄
- 基準を下げることで数字を改善する
- データを抜いたり、ゆがめたりして数字を改善する
- 不正行為
第2章 背景
- 測定および能力給の成り立ち
- 能力給の起源の一部
- 実績を測定する――テイラー主義
- 管理主義と測定
- なぜ測定基準がこれほど人気になったのか
- 判断への不信感
- 専門職批判と選択の神聖化
- コスト病
- 組織の複雑さの中でのリーダーシッ
- その抗いがたい魅力
- プリンシパル、エージェント、動機づけ
- ニュー・パブリック・マネジメント
- 外的報酬と内的報酬
- 哲学的批判
- 合理主義者の幻想
- 科学主義
- ケドゥリーによるサッチャー批判
- 説明責任の急速な前進
第3章 あらゆるものの誤測定?――ケーススタディ
- 大学
- 測定基準を引き上げる――誰もが大学へ行くべきだ
- 勝者の数を増やせば、勝利の価値が低くなる
- 低い基準と増える測定
- 大学の実績を測定しろというプレッシャー
- ランキングの激しい競争
- 学術的生産性を測定する
- ランキングの価値と限界
- 大学を格付けする――スコアカード
- 測定基準からのメッセージ――大学は金を稼げるようになるところだ
- 学校
- 問題と、解決策と言われるもの
- 意図せぬ影響
- データを倍増させる
- 能力給
- 決してなくならない「学力格差」
- 格差解消への取り組みの代償
- 医療
- コスト抑制への経済的後押し
- アメリカの医療制度を格付けする
- 解決策としての測定基準
- 成功の三つの物語
- これらの成功から導き出される結論は?
- より大局的な視点――測定基準、能力給、ランキング、成績表
- テストケース――再入院を減らす
- バランスシート
- 警察
- 軍
- ビジネスと金融
- 能力給がうまくいくときと、いかないとき
- 金融危機
- 短期主義
- その他の機能不全
- 慈善事業と対外援助
- 変革的vs測定可能
- 補説
- 透明性が実績の敵になるとき――政治、外交、防諜、結婚
- 親密さ
- 政治と政府
- 外交と諜報活動
第4章 結論
- 意図せぬ、だが予測可能な悪影響
- 測定されるものに労力を割くことで、目標がずれる
- 短期主義の促進
- 従業員の時間にかかるコスト
- 効用の逓減
- 規則の滝
- 運に報酬を与える
- リスクを取る勇気の阻害
- イノベーションの阻害
- 協力と共通の目標の阻害
- 仕事の劣化
- 生産性のコスト
- いつどうやって測定基準を用いるべきか――チェックリスト
謝辞
索引
原注
本書のポイント
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これが分かればバッチリ…!
ポイントは「測る行為を行う目的は何か?」ということ
本作品は、測りすぎという名前の通り、世の中に蔓延する「測ることの有用性」に異論を述べる内容です。
測りすぎ、というように、やりすぎではないか。という意味合いが込められている。
測るということは、何かしらを数値化して判断するということであり、一見すると定量的で、客観性のある話にも聞こえるが、さまざまなメリットデメリットが存在する。
今回、数学者などではなく歴史家の著者が、業界や分野を横断して解説している部分がユニークだと思いました。
測るという行為自体が目的になることはほとんどなく、何かしらの成績を上げたいとか、施策を検討したいとか、そういった目的があるハズである。本作品中にも出てくるが、例えば医療機関の命題は、人々の健康を守ることである。守るというのは治療であるとか、予防医療の領域を指します。
ところが、医療において、例えば病床の使用率を95%にできれば好成績。というような目標があるのであれば、何が何でも病人(あるいは健康な人)を、病床に確保しようとする。それは、利益を追求した行為であり、本来の命題とはそれる話なのだが、現実に起こりえる。
測定自体は判断の代わりにはならないもので、測定は判断を要するものです。測定するべきか、何を対象に?どうやって?重要性は何か、などを考えて測定という行為をする必要があります。
測定基準を用いるべきか否かのチェックリストを以下にまとめます。
- どういう種類の情報を測定しようと思っているのか?
- 情報はどのくらい有益なのか?
- 測定を増やすことはどれほど有益か?
- 標準化された測定に依存しないことで生じるコストはどんなものか?実績についてほかの情報源があるか?(顧客や患者、生徒の保護者などの経験と判断に基づくもの)
- 測定はどのような目的のために使われるのか、言い換えるなら、その情報は誰に公開されるのか?
- 測定実績を得る際にかかるコストは?
- 組織のトップがなぜ実績測定を求めているのかきいてみる。
- 実績の測定方法は誰が、どのようにして開発したのか?
- もっともすぐれた測定でさえ、汚職や目標のずれを生む恐れがあることを覚えておく。
- ときには、何が可能かの限界を認識することが、叡智の始まりとなる場合もある。
そして、組織や測定対象を実際に知ることのできる特効薬や、その代わりになる方策は存在しないと述べられています。重要なのはひとつに経験、もうひとつには定量化できない技術。重要な事柄の多くは、標準化された測定基準では解決できないくらいの判断力と解釈力が必要となる。測定基準について、どの程度の重みをもたえるのか、特徴的なゆがみを認識できているか、測定できないものを評価できているかどうかわかっていることが重要になる。
・・・
世の中のあらゆる行為や行動にも当てはまるかもしれませんが、万能薬になるものはなく、使い方が重要であると再認識しました。測定という言葉でまとめられていますが、例えば目標だったり、KPIだったり、ビジネスでは何かしらを測定する行為がつきまといます。
ただ、それらの測る基準をクリアした時に、どのような未来がまっているのか、そんな広い視野で物事を捉えていきたいなと感じました。
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