Vol.0050 新版 営業の「聴く技術」 SPIN「4つの質問」「3つの説明」(著者:古淵 元龍、大堀 滋)

ビジネス・経済>>ビジネス・経営>>セールス・営業管理

発売年月日 2008/08/28

つけ麺たろう
つけ麺たろう

社会人になってから、たくさんのビジネス書を読んできました。
読んだ本の数は、なんと1500冊以上!

あなたが抱える悩みや課題を、おなじように経験した先人たちがたくさんいます。
そして、あなたが抱えるような悩みや課題は、すでに解決されていることがほとんど…。

ビジネス書には「仕事の攻略法」がたくさん載っていると言えるでしょう。

S-BOOKSでは、私がいままで読んできた本の中から、厳選して紹介しています。

目次をすべて公開しているので、それを読むだけでも参考になると思いますよ。
ぜひインプットしてみてください。

つけ麺たろう
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本の中身を詳しく知りたくなった方は、ぜひ書店でお買い求めください!

本書の目次

推薦のことば

  • 慶応義塾大学政策・メディア研究科 教授
  • 富士ゼロックス株式会社 元・代表取締役副社長 高橋秀明

Prologue

  • 営業の「聴く技術」SPIN

Chapter1 営業を成功へと導く質問技法

  • あなたの営業姿勢は?
  • 「営業のプロ」とは
  • 顧客を成功に導く行動様式
  • 顧客がいてこそ仕事がある
  • 顧客の求める営業パーソン
  • コミュニケーションの原点は顧客の理解
  • 顧客の立場に自分を置く
  • 営業のプロに求められる指導力
  • 解決可能な問題へのアプローチ
  • 商談成功への質問技法

Chapter2 ホンモノの営業スキルとは

  • コミュニケーションの達人は「聞き上手」から
    • こんな会話はコミュニケーションが不成立
    • 円滑になるSPIN式コミュニケーション
  • 営業パーソンは課題解決のサポーター
    • 営業パーソンのイメージとは?
    • 経営課題と営業パーソン
    • 何をすべきかを気づかせるのが営業の仕事
  • 信頼を得るためのファクター
    • プロとしての4条件
    • 営業は科学
    • 大型商談に求められる質問スキル
    • 顧客の心理を読む
    • 知的レベルの高いプロの営業スキルを磨く
    • 「好き」か「嫌い」かに分けるもの

Chapter3 クロージング神話の崩壊とSPINの誕生

  • 「売れる」「売れない」には理由がある
    • オールドスタイルのセールス技法
    • クロージング技法の限界
    • 日本人の感性にも訴求する技法
    • 「売れる」人の共通行動
  • 顧客のニーズの顕在化こそが営業の仕事
    • 行動特性の3要素
    • 商談のステップのキーポイント

Chapter4 顧客の心理をハートフルに動かす「4つの質問」

  • 顧客のニーズに応える質問の技術
    • 質問技法のメカニズム
    • すぐにカタログを出すことなかれ
    • アポとりは質問技法の展開から
    • 顧客のかかえる二つのニーズ
    • 顧客の変化をつかむ
  • 客観的事実を聞く質問―「状況質問」
    • 前置きをするのがマナー
    • あなどると見抜かれる
    • 顧客の核心を把握する
  • 顧客の不平・不満を質問する―「問題質問」
    • 顧客の意思を知る
    • コンサルティングか、御用聞きか
    • 発信しやすい心理にする法
    • 顧客の回答から二つの結論
  • 買い手に新たな発見を促す質問―「示唆質問」
    • 「買う?」「買わない?」の指標
    • 顧客と一緒に解決する
    • タイミングで使い分ける
    • 「買ってやる」から「買わせてください」に
    • ニーズを顕在化させる質問例
  • 顧客が提案を受け入れる質問―「解決質問」
    • 問題解決へと書いてを動かす
    • 顧客に利益を語らせる
    • 顧客の心理をポジティブにする
    • 疑問・反論は予測する
  • 質問技法をスムースにするテクニック
    • 質問に欠かせないマナー
    • 「、」より「。」のリズム
    • オープンな質問を短く
    • お客様の使った単語を使う
    • 会話のキャッチボール
    • “聞き上手”になるためには?

Chapter5 「3つの説明」商談成功のクライマックス

  • 商品説明のカテゴリー―F・A・B
    • はじめて説明へアプローチ
    • 特徴だけでは成功しない
    • 説明するシナリオ
    • 「利点」か「利益」かの検証法
    • アプローチによる顧客の反応
    • どちらが顧客の興味をひく?
    • コラム こうして見分ける”利点”と”利益”
    • 最も効果的な解決策の提示法
  • 反論を防ぐ・予測する
    • 小型商談ではたとえ有効でも…
    • 不要な反論を質問で防ぐ
    • 反論へのプログラム
  • 質問技法による提案書の作成法

Chapter6 変革・改革・激動の世紀を生き抜くスキル

  • 時代のウェーブにもマッチできるシステム
    • 各業界の変化に対応する質問技法
    • 質問技法のコンビネーション
  • 質問技法が企業文化を変革する
    • 企業文化と共通基盤がバックボーン
    • 職場も人も活性化させる
    • 商談結果を分類する
  • マーケティングのバイブル
    • 代理店販売での可能性
    • 新製品販売のシナリオ
    • 営業と営業サポートのコミュニケーション

Chapter7 サクセス企業リポート 4社の事例

  • 提案力強化に必須の「聴く営業」
    • 伊藤忠テクノサイエンス株式会社(現・伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)
    • 元・代表取締役社長 後藤 攻
  • 「顧客思考」のコンセプト実践の武器に
    • ヤンセンファーマ株式会社 開発部研修部 部長 辻山研二
  • 真のコンサルティング営業を求めて
    • ディー・エイチ・エル・ジャパン株式会社
  • 全営業パーソンがロールプレー
    • 日本コンピュウェア株式会社

Epilogue

  • SPINで生きいきコミュニケーションを

本書のポイント

つけ麺たろう
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これが分かればバッチリ…!

ポイントは「提案したければ、まず相手を理解しなさい」ということ

人間関係における最も効果的なコミュニケーションの原則は「まず相手を理解しようとすること。その後、自分を理解してもらうこと」であると、筆者は述べています。これは真実だなと思います。これらを活かすテクニックは無数にあれど、真に大事なポイントはこれだと思います。

SPINは四つの言葉の頭文字であり、以下の言葉のQuestionを指しています。
Situaiton = 状況質問
Probrem = 問題質問
Implication = 示唆質問
Need-Payoff = 解決質問

経営課題の解決=事業計画の達成を目指して、ビジネスパーソンは日々努力しているはず。
階層別・ビジネス上の課題が存在するため、それらを考慮できるか。それは、提案先の人物の当該部署であることもあれば、決裁者(上司)であるケースもあります。

1.企業・経営理念――企業の存在理由、何を目的に事業をするのか
2.事業計画――目的遂行の計画、数値目標、課題解決が必要な部分だが、責任分担・役割分担はどうか?
3.経営課題――目標数値の課題、数値目標、プロダクト、組織、評価制度、報酬、教育など
4.各事業本部・課題――数値目標、目標達成の戦略、マーケット戦略・業界戦略など
5.各事業部・課題(目標)――数値目標、戦略・戦術の実行、人材育成、製品、顧客満足、自社の発展など
6.各課・課題(目標)――数値目標、人材育成、活動計画など
7.個人(個人目標)――数値目標、専門知識、顧客戦略、個客、スキルなど個人に関連する

小型商談(シンプル・セールス)、大型商談(コンプレックス・セールス)という表現をされているが、小型商談はいわゆる低価格商品であり、短期(説得型)でセールスが完了するものである。一方、大型商談はいわゆる高価格商品であり、長期(信頼型)でセールスを行い、意思決定者、関係者も多岐にわたるものである。
小型商談は、個人間で応酬話法が成立し、且つ衝動的購買が発生しうるパターンですが、大型商談は、SPINの傾聴話法がほぼ必須となるものです。
セールストークの効果が期待できるものは、小型商談まででありクロージングが成果に影響しますが、大型商談はどれだけ調査(サーベイ)ができ、論理的に解決をイメージしてもらえるかどうかがポイントとなります。小型商談は、不安を煽ってクロージングする、という力業が成立しますが、そこで成果を出した人材が大型商談も同じように行うと、なかなか成果が出ないでしょう。大型商談では、クロージングはむしろマイナスに作用します。営業は科学できるとはよく言ったものですが、本当にその通りだと思います。

顧客のことを知らないと話せない内容は利益などのバイイングポイントであり、個客のことを知らなくても話せるもの(ある種、汎用的な鉄板セールストークのようなもの)は、セリングポイントです。最終的に、受注まで持っていきたければ、バイイングポイントを話すように心がけましょう。
説明の3パターンは以下のように述べられていました。
・特徴(Features)=特徴、機能、性能、成分、価格(事実)
・利点(Advantages)=効果・効用・役割など(一般的な解決策)
・利益(Benefits)=顧客の顕在ニーズに合った解決策(潜在ニーズ→顕在化させ、解決策を述べる)

効果的な営業の手法は世の中に存在する。いわゆるベストプラクティスと言われるものや勝ちパターンと呼ばれるものです。しかしながら、それらの手法をそのまま活かせるほど、世の中はあまくありません。作品中でも、どんな人にでも話せるものは利点であり、その人にしか話せないもの(提案できないもの)が利益であると。説明は×、利点は△、利益は◎。それと同じように、その商材でしかできない手法やパターンを作り上げることが重要です。

昨今は、特にモノ余りの時代なので、情報が溢れています。競合も多い。お客様もよく知っている。そんな時に、真の意味で向き合えるかどうか。それがカギになると思います。

企業への提案であっても、最終的に決めるのは人。そして、複数人が決裁する場面においては、納得感や論理性も問われます。いけいけどんどんで売れる時代は終わりを迎えました。だからこそ、営業(提案)のやりがいが爆増していると感じます。

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