Vol.0037 新しい市場のつくりかた 明日のための「余談の多い」経営学(著者:三宅 秀道)

経営学・経営理論

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発売年月日:2012/10/13

つけ麺たろう
つけ麺たろう

社会人になってから、たくさんのビジネス書を読んできました。
読んだ本の数は、なんと1500冊以上!

あなたが抱える悩みや課題を、おなじように経験した先人たちがたくさんいます。
そして、あなたが抱えるような悩みや課題は、すでに解決されていることがほとんど…。

ビジネス書には「仕事の攻略法」がたくさん載っていると言えるでしょう。

S-BOOKSでは、私がいままで読んできた本の中から、厳選して紹介しています。

目次をすべて公開しているので、それを読むだけでも参考になると思いますよ。
ぜひインプットしてみてください。

つけ麺たろう
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本の中身を詳しく知りたくなった方は、ぜひ書店でお買い求めください!

本書の目次

まえがき

第1章 さよなら技術神話

  • ジャイロとクルーザー
  • ミシュランのガイドブックはなぜあるのか
  • 資本主義と戦争と恋愛
  • ゾンバルトのキャッチボール
  • 技術決定論の限界
  • 愛妻家本田宗一郎の革新
  • なぜエジソンのウォシュレットがつくれなかったのか
  • 統合されるべき市場創造のプロセス

第2章 新しい「文化」を開発する

  • 「しあわせ」のイメージ
  • 人それぞれのしあわせの哲学
  • 日本軍のライフスタイル開発
  • ライフネット生命が提唱するしあわせ
  • ウォシュレットの贅沢
  • 当たり前になる過去の贅沢
  • しあわせだから、しあわせなだけ?

第3章 「問題」そのものを開発する

  • 二人の靴のセールスマン
  • 「問題」とはそもそも何か
  • 商品を遺留品のように推理する
  • 商品の価値は認識に依存する
  • 価値とは存在ではなく、現象である
  • 問題は発明の対象である
  • 正しさを探しに行くな
  • 問題発明の可能性はそこかしこにある

第4章 独自技術なんていらない

  • プールで水泳帽をかぶるわけ
  • 文化英雄による教育
  • 「文化復興財団的企業」をめざせ
  • 生まれて育っていく「文化」
  • 鉄砲職人が花火師に
  • 問題開発できる立場

第5章 組織という病

  • いつか見た組織病
  • 模倣していた問題設定
  • ただ「今日」のための組織
  • マッカーサーは来ない
  • 方舟のない島
  • ワイガヤ世代が去った後に

第6章 「現場の本社主義」宣言

  • 工業時代の始まりに起きたこと
  • 均質素材と「計画性」
  • たい焼きの開発プロセス
  • フードコードをカイゼンする
  • ミラーが片方にしかないトラック
  • 新コンセプトの水着をつくる
  • 新入社員の大抜擢
  • 身体が冷えてしまう水着
  • 水着のリ・デザイン
  • 生まれ変わったコンセプト
  • 「寿司屋の出前」型開発組織
  • 社風を変えたプロジェクト
  • アイデアを活かしやすい組織

第7章 価値のエコシステムをデザインせよ

  • ワイングラスの口は、なぜすぼまったか
  • 岩手のかまどがケニアへ
  • 「土俵の土の勝負」と「土俵づくりの勝負」
  • 問題意識の「早期立ち上げ」
  • 誰かが家元をやらなきゃ!
  • エコシステムの乗っ取り
  • 文化人類学者を育てよう
  • 摩天楼と通信カラオケ
  • 小林一三のしあわせ構想
  • 通勤生活の元祖
  • IBMとニューディール

第8章 ステータスと仲間をつくれ

  • 下町で生まれた革のストラップ
  • 信長の茶器の「物語性」
  • なぜベースボールが「野球」と呼ばれたか
  • われらの中のギャツビー
  • ハーレーダビットソンジャパンの躍進
  • 下駄のようなバイクを再定義する
  • ハーレーをラグジュアリーにするには
  • 大戸屋はなぜ一階にないのか
  • 「外圧」を使いこなす
  • 奥さんに「公認」されるために
  • 「御社の商品はステータスシンボルたりえますか?」
  • 呪術としてのラグジュアリー

第9章 ビジネスの外側に目を向けよ

  • 会社と役所と大学でパイプをつくる
  • 椅子が違えばいろいろ変わる
  • 生活行動を支援するための椅子
  • 人の「弱さ」の可能性
  • お金で買えない情報
  • 産官学連携の可能性

第10章 地域コミュニティにおける商品開発

  • 読者への挑戦
  • 情報獲得の合理・合目的性
  • 会社は情報のクリーンルーム
  • 知識はマネジメントできるか
  • 「まもるっち」が生まれた町
  • 世間とのすり合わせ
  • 要素間のつじつまを合わせるまで
  • ユーザーの「振る舞い」を予測する
  • 世間での「おさまり」
  • 満足解の模索
  • 「家元」の優位性
  • 社会を変える大局観
  • 子どもをネットの害から護る
  • 新商品が開けるパンドラの箱
  • 意図せざる知識獲得

終章 希望はどちらにあるか

  • 明日のためのビジョンを持てるか
  • 事前決定論の罠
  • 問題開発者向きの人材
  • 必然的偶然を起こすには
  • 混沌の持つ可能性
  • 「まだ名前がない存在」の貴重さ
  • 最後で最初の希望

あとがき

主要参考文献・資料

本書のポイント

つけ麺たろう
つけ麺たろう

これが分かればバッチリ…!

ポイントは「XXX」ということ

ポイントは「新しい市場をつくる=新しい文化をつくる」ということ

本作品は「新しい市場をつくる」という壮大なテーマについて解説された作品です。

商品開発、新規事業、、、。新しい何かをつくる時に重要な、問い、プロセス、文化醸成、組織形成など、あらゆる側面から語られています。

とても広い視野で、新しいコトづくりの発想を得られるのではないでしょうか。

開発するという行為は、技術開発を指すこともあれば、文化開発を指すということもある。

新しいものは、基本的には人をしあわせにするものでないといけない。(そもそも必要ではなくなる)

技術開発は、いままでできていた幸せな形をよりコスパ良く実行できるようにすることで、文化開発はいままでとは異なる形で、しあわせを定義する。そのような解説をされていました。

新しい発想を考える、ということはなんとなくイメージできていましたが、その行為にまつわる文化を醸成しないといけない。ということは、いままでの発想にはなかったことです。

とても基礎的な話になりますが、新しい市場をつくる際には「①問題開発 → ②技術開発 → ③環境開発 → ④認知開発(文化開発)」のプロセスで進めることとなります。

ウォシュレットも同じような流れで開発されました。そもそも、技術的にはすぐに実現できはハズです。でも、すぐにはできなかった。それは、おしりを洗うという行為自体が当たり前ではなかったから。

新しく問題を定義する。そして技術を開発する。次に、環境(インフラ)を整えないといけません。トイレの横にはコンセントがありますが、なければ取り付けはとても大変でしょう。コンセントを置いてもらう。というのはハウスメーカーと手を組まないといけません。そして、そもそもの文化を醸成する。このあたりは、啓蒙活動であるとか、キャッチ―なCMを打つとか、そういった活動が重要になります。

このように、全く新しいものを世の中に生み出すことはブルーオーシャンですが、そもそもやらねばならないことが多い。いまあるものをよりよく改良するだけでは到底得られないような、利益やしあわせを生み出すことは、大変なことなのです。

・・・

本作品は、新しいコト・モノづくりに関わるすべての方にオススメです。優秀な方はおさらいになるでしょうし、行き詰っている方は、いたるところにヒントが眠っています。

是非読んでみてください。

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